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2021.03.08

【開催レポート】2/24 (水) 2021年1月度ピープルアナリティクスラボ

この1年のPA / HR Techにおける海外、国内動向の振り返りと今後の展望

ピープルアナリティクスラボとは、ピープルアナリティクスの概要・潮流・有用性を理解し、自社の取り組みに活用していただく(または委託の判断軸を持つ)ための会員向けベーシック講座です。2020年度のピープルアナリティクスラボは「より科学的・高品質なPA」を目指したテーマで活動していきます。2021年2月度は恒例、この1年のPA / HR Techにおける海外、国内動向の振り返りと今後の展望をテーマに開催しました。

オンラインで出席いただいた会員の皆様に向けて、NRIの幸田さんから「Afterコロナにおけるピープルアナリティクス」、協会理事の北崎さんから「PA/HR Tech 海外・国内の最新トレンドを学ぶ」と題して、COVID-19の影響で大きな変化が起きたワークスタイルや労働環境下、ピープルアナリティクスやHR Techの国内外最新トレンドについてお話しいただきました。

Afterコロナにおけるピープルアナリティクス
NRI IT Solutions America, Inc. Pacific Branch 幸田 敏宏 氏

 

■リモートワークを交えた、New Normalの働き方

・GAFAMなどのBig Tech各社は、リモートワークを2021年夏まで延長した。一方でGoogleやAmazonは並行して新オフィスを建設するなど、オフィスが不要とは思っていない。またSalesforceは”Work From Anywhere”を提唱している。

・働き方を見直す声はテクノロジー業界からだけでなく、モルガンスタンレーやバークレイズといった金融機関のトップからも挙がっている。

・パンデミックにより、企業・従業員の働き方への考え方が変化した。74%の企業が、一部の従業員を完全にリモートワークにシフトさせようと考えており、54%の人々が、今後リモートワークをメインにしたいと考えている。

・新しい働き方の模索が続く中、企業は従業員をより深く理解する方法を必要とするようになっている。これまでは短期的な緊急対応のフェーズだったが、今後は長期的で本格的な対応が必要になる。論点が災害復旧・事業継続を経てNew Normalになっていく。

■リモートワーク・シフト&ピープルアナリティクス

・米国においては、ホワイトカラーのリモートワーク・シフトは上手くいっていると評価されている。従業員のモチベーションは一旦下がったが、急回復している。また、逆にチームの連携が促進されたという声もみられる。

・変化を定量化し、対応に活かすことが重要。HR部署のリソースが限られている中で、「どの部署からサポートすべきか」「オフィスに戻すべきか」といった判断にデータを活用すべき。

・リモートワーク活用により、従業員の行動データは増えている。社員の振る舞いに関わるデータが増えることで、分析しやすくなっている。

・環境の変化によりストレスを感じている従業員を発見し、対応した事例がある。この事例では、従業員の状況でグループ化してストレスの推移を確認し、サポート対象を選定している。要注意グループの中から、従業員ごとにより深くストレス度合いを分析することで深堀ができる。

・今後のコラボレーションには仕掛けが必要となってくる。求められるのは単純なコミュニケーションの増加ではなく、ビジネス創造である。リモートワークへのシフトがコミュニケーションの可視化をもたらしたことで、コラボレーションを設計しやすくなったと言える。

■日本企業が目指すべき働き方と、ピープルアナリティクス

・目指すべきは「オフィス/リモート勤務バランス型」へのアップデートである。完全リモート勤務型の企業もあるが、多くの企業にはオフィス勤務で蓄積してきた働き方の知見があるため、リモートワークとオフィスを併用した働き方を目指すべきである。

・働き方のアップデートには、「コミュニケーションのデジタル化」が成否を分ける。オフィスに行かないと情報が取れない状態では逆にコミュニケーションコストが増すため、どこにいても同じ情報に過不足なくアクセスできる必要がある。そのために、デジタル・コミュニケーション・プラットフォームが重要となる。

・New Normalの働き方においては、ピープルアナリティクスは必須となる。目指すべきNew Normalの働き方の実現にはプラットフォームの構築や制度設計・施策実行などコストがかかる。一方でリモートワークのメリットのうち、人件費やオフィスコストの削減は多くの日本企業には難しい。そのため、得られるデータを活用するピープルアナリティクスがリモートワークのメリットを享受するために重要となる。また米国に比べ、労働市場の流動性が低い日本では、長期的な観点での知見獲得・改善実施が向いている。

 

PA/HR Tech 海外・国内の最新トレンドを学ぶ
一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 理事 北崎 茂 氏

■HRテクノロジーの変遷

・PwCの調査によれば、90年代の業務効率化、00年代のタレントマネジメントを経て、10年代にはPeople Management、Employee Experience、Team & Work Managementといった概念が注目され、HR Techの位置付けは多様化してきている。

■HRテクノロジーへの投資が進んでいく

・HRテクノロジーへの投資意欲は日本では55%が今後増加、37%が現状維持としている一方、グローバルでは74%が今後増加、23%が現状維持としている。日本においても投資意欲は高まっていると感じる。分野としては、ピープルアナリティクスによるインサイト獲得やRPAによる業務の自動化・効率化が注力分野として挙げられている。

■HRテクノロジーの活用は多岐に渡っていく

・HRのプラットフォームは、HR Operation Platform、Employee Experience Platform、Work Tech Platform、People Analytics Platformの4つに大別される。すべてをカバーしているプレイヤーはあまりおらず、複数ベンダーを活用する流れが進んでいる。この中ではAPIでの連携が前提となり、組織・システムの境界があいまいになっていく。

・HRテクノロジーの領域は多様化しており、すべてを提供できるベンダーがいないため、複数のベンダーを活用しAPIで連携する方向性は今後も続くと思われる。次の1〜3年の間に利用する製品ベンダー数が増えると予想している企業は45%に上る。

■ツール活用においては、グローバル対比でやや遅れ

・人事領域で適用可能性がある/適用している新技術の領域として、RPAは日本企業56%/グローバル67%、データの可視化ツールは日本企業56%/グローバル78%、チャットボットは日本企業34%/グローバル71%に挙げられている。日本企業も低いわけではないが、グローバルと比較するとやや遅れていると言える。

■日本企業の「浸透」に対する意識の遅れが顕著

・HRテクノロジーの浸透において効果のあった施策について、グローバルではトレーニングやプロモーション活動だけでなくジャーニーマップ、インセンティブ/ペナルティ設定、ゲーミフィケーションなど様々な施策を実行し効果を実感している。一方で、日本企業ではトレーニングやプロモーション活動以外の施策の実行・効果実感はほぼ0%であった。ここから取り組みの度合いが異なることが推察される。

■ピープルアナリティクスの浸透度

・人材データ活用に関する取り組みについて、「実施している/実施した」または「今後取り組む予定がある」と答えた割合は。従業員5,000名以上の大企業で8割以上を維持し、全体でも6割を超える水準まで高まっている。

■今後のPeople Analyticsに起こる変化

・先進企業におけるPeople Analyticsの方向性としては、POC・人事データ主体主義からの転換が必要と考えられている。HRだけでなく各部門・現場主導で、行動データ・ビジネスデータなど多様なデータが分析される必要がある。

・今後の変化として、活動データなどデータの多様化、現場など分析者の多様化、セルフサービス型などプラットフォームの変化、データコントロール強化などガバナンスの変化といった変化が考えられる。

開催概要
日時:2021年2月24日(水)15:00〜16:30
会場:オンライン (Zoom)
参加者:70名 ※法人正会員のみ

講師:NRI IT Solutions America, Inc. Pacific Branch 幸田 敏宏 氏
演題:「Afterコロナにおけるピープルアナリティクス」
講師:ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 理事 北崎 茂 氏
演題:「PA/HR Tech 海外・国内の最新トレンドを学ぶ」
参加者:70名 ※法人正会員のみ

主催・問合せ先
一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 事務局
e-Mail:info@peopleanalytics.or.jp

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