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2022.01.20

【開催レポート】1/13(木)人的資本経営×人的資本報告書WG・セミナー

気候変動・ESG推進のための人材開発・組織開発を考える
持続可能な社会の実現に向けて、企業のSDGs対応が必須となり、昨年度のコーポレートガバナンスコードでTCFDなどフレームワークに沿った気候変動に関する取組について株主への情報開示が義務付けられるに至り、統合報告書やサステナビリティレポートで人的資本開示を行う企業も増えており、人事においてもこれら新たなテーマへ対応できる組織を開発支援することが重要マターとなっております。
今回は、TCFDに関するコンサルティングファームの代表とNRIでゼロからサステナビリティ部門立上げを推進された経緯を著書「イチからつくるサステナビリティ部門」にまとめられた本田室長をお招きし、「気候変動×それに対応できる組織開発」にスコープを絞り、今後不可避となる気候変動・ESG推進のための人材開発・組織開発について考えました。

カーボンニュートラル推進のための人材開発/組織開発セミナー
株式会社リクロマ 代表取締役 加藤 貴大 氏

 

■カーボンニュートラルと人的資本を取り巻く環境
・日本政府は2020年10月にカーボンニュートラル宣言を出している
・2021年にコーポレートガバナンス・コードの改定で気候変動対応が要求された
・カーボンニュートラルとは、自社が排出した温室効果ガス排出量と温室効果ガス吸収量の差を実質ゼロとすることを示す
・ネットゼロとは、バリューチェーンからの温室効果ガス排出量を含む排出量実質ゼロを示す。ここでは、連結子会社を含む自社のみならず、バリューチェーンの温室効果ガス排出量の削減が求められ得る
・気候変動というテーマに対する人的資本として、取締役会スキルマトリックスにおいてもサステナビリティが項目となる例が出てきている

■組織開発
・TCFD提言は4要素11項目で構成され、2021年10月の改訂ではネットゼロへの移行計画の作成が要求されている
・外部へTCFDを説明する上で、委員会を設置することが望ましい。諮問機能を持つケースもある
・ネットゼロに関与する部門として、上流(取引先、調達部門)・自社(製品開発・製造・研究・物流・コーポレート・ブランディング部門)・下流(顧客、営業・製造(廃棄)部門)のすべてに対応が求められる

■人材開発
・コーポレート部門に求められるスキル例として「社会価値と経済価値を同時に追求するサステナビリティ経営の実現に向けて、サステナビリティ戦略立案から具体的なビジネス創出支援を行う」といったものが挙げられる
・製品開発部門に求められるスキル例として「社会価値と経済価値を同時に追求するサステナビリティ経営の実現に向けて、低炭素製品の開発を行う自社製品の優位性を保つ」といったものが挙げられる

気候変動・ESG推進のための人材開発・組織開発を考える~自社の立ち上げ経験を踏まえて~
野村総合研究所 サステナビリティ推進室長 本田 健司 氏

■サステナビリティ経営を求める世界の動き
・サステナビリティとは企業の持続可能性でなく地球や社会の持続可能性を示す
・CSRとは企業の社会貢献でなく企業の社会的責任を示す
・ESGとはEnvironment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンスを示す
・サステナビリティ経営は、ポジティブインパクトの促進とネガティブインパクトの抑止に分けられ、さらにポジティブインパクトの促進は事業内領域と事業外領域に分けられる
・国際的な枠組み・原則の整備が急速に進展し、企業に対してサステナビリティと経営の一体化への期待・関心が高まっている

■世界のESG投資の動向
・2020年における世界のESG投資額は約4,000兆円であり、世界投資の約36%を占める
・一方で2020年における日本のESG投資額は約330兆円である
・格付け・評価機関やインデックス会社が企業の情報を分析して運用機関に提供している
・特にインデックス会社が提供するESG株式インデックスにあわせて資金運用するパッシブ運用が増えている
・ESG投資家の視点を踏まえると、企業には非財務情報開示、シナリオ分析、CSVが求められる
・NRIは企業の透明性を高め、メジャーなグローバルESG株式指数で選定されており、株価も上昇傾向にある

■サステナビリティ推進室の業務と人材
・NRIにおいてネガティブインパクトの抑止は主に本社機構と経営層が担っている
・サステナビリティ推進室の業務は、本社機構の多くの部門に関与している
・年度ごとに対象事業を特定しTCFDシナリオ分析を実施している
・対象となるステークホルダーを踏まえ、複数のサステナビリティに関連する報告書を作成している
・環境目標の策定・改定を行い、環境目標の国際認証であるSBT認証を取得している
・サステナビリティ推進室の人材には、英語力、コンサルティング力、プロジェクトマネジメント力、業務経験の多様性が重要で、さらに環境・人権・金融の専門的知識が求められる

開催概要
日時:2022年1月13日(木)15:00〜16:50
会場:オンライン (Zoom)

講師:株式会社リクロマ 代表取締役 加藤 貴大 氏
演題:「カーボンニュートラル推進のための人材開発/組織開発セミナー」

講師:野村総合研究所 サステナビリティ推進室長 本田 健司 氏
演題:「気候変動・ESG推進のための人材開発・組織開発を考える~自社の立ち上げ経験を踏まえて~」

主催・問合せ先
一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 事務局
e-Mail:info@peopleanalytics.or.jp

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